【日曜に書く】論説委員・川瀬弘至 自衛隊ヘイトを乗り越えて(2/2ページ) - 産経ニュース

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論説委員・川瀬弘至 自衛隊ヘイトを乗り越えて

 ◆制服着用も自粛

 こうした妨害活動は平成に入ってからも続く。規模は縮小しつつも11年ごろまで抗議集会などが毎年開かれた。那覇市の成人式は15年以降、市主催から実行委員会形式に変わるが、その時ですら自衛隊に、制服着用での参加自粛を求めたほどだ。

 このため自衛隊は長年、駐屯地内でひっそりと成人式を開いてきた。

 憲法第14条は人種、信条、性別などいかなる差別も禁止し、第22条は職業選択の自由を保障する。

 自衛隊をヘイト(憎悪)してきた革新勢力が、護憲派を名乗るのは噴飯である。さらに彼らが最近、ヘイトスピーチ禁止条例づくりに躍起になっているのだから唖然(あぜん)とするほかない。

 ◆来年はこの人に

 と、そんな歴史があるだけに、陸自那覇駐屯地で開かれた今年の成人式は感動的だった。新型コロナウイルス禍のためビデオによるメッセージとなったが、地元首長が初めて祝賀を寄せた意義は大きい。

 危険な不発弾処理や夜間の緊急患者空輸など県民の命を守る長年の活動が、イデオロギーを超えて認められたといえば、少し大げさだろうか。

 残念なこともある。自衛隊への感謝を表明した沖縄市長や南城市長のメッセージに比べ、那覇市長のそれが、何とも上から目線なのだ。

 こんな調子である。

 「新成人の皆さんには、これから大人として責任ある行動が求められます。周りの方々への感謝の気持ちを忘れることなく、節度と品位を持った社会人になってくれることを切に願います」

 まるで、親のすねをかじる大学生らを諭すような口ぶりだ。すでに部隊の原動力として活動する二十歳の隊員には、いささか失礼だろう。

 ここはひとつ、この人にお手本を示してもらいたい。玉城デニー知事だ。

 玉城氏は昨年、豚熱と新型コロナ対策で自衛隊に計4回の災害派遣を要請した。

 今年の成人式にはメッセージを出し忘れたようだが、コロナ禍が収まった来年には自ら出席し、感動的スピーチを披露してくれるに違いない。(かわせ ひろゆき)