日本野球機構とJリーグが連携して新型コロナウイルス対策を話し合う連絡会議での、専門家の発言が心に残っている。「プロ野球やJリーグができないと、五輪なんてできるわけがない」。まっとうな指摘だと思う。東京五輪・パラリンピックの開催の是非を問う声が高まっているが、これが一つのバロメーターになり得るのではないか
▶16日に始まる予定だったラグビーのトップリーグが参加チームに感染者が相次ぎ、開幕延期となるなど、スポーツ界の「中止ドミノ」は加速している。スポーツが日常生活にどこまで必要かは意見の分かれるところだが、連鎖を止めるのは、多くのファンを抱えるプロ野球とJリーグの役目だろう
▶どんな予防策が必要なのか。設備や動線、人の配置…。同じ専門家は「プロ野球とJリーグがエビデンス(証拠)を出していかないといけない」と強調する。東京五輪開幕まで、23日であと半年。「大丈夫」と納得できる根拠がほしい。