孔子廟訴訟、大法廷で弁論 政教分離で憲法判断へ

 儒教の祖、孔子を祭る「孔子廟(びょう)」を設けるため、那覇市が公園内の敷地を無償提供したことが憲法の政教分離の原則に違反するかが争われた住民訴訟の上告審弁論が20日、最高裁大法廷(裁判長・大谷直人長官)で開かれた。原告側は無償提供が「特定の宗教への援助に当たる」と主張。市側は政教分離に違反しないと訴えて結審した。判決期日は後日指定される。

 差し戻し後の1、2審判決はいずれも無償提供を違憲と指摘していた。大法廷での審理のため、判決では憲法判断が示される見込み。

 弁論で原告側代理人は、孔子廟で孔子の霊を迎える祭礼が営まれており「宗教的性格の濃厚な施設であることは疑いない」と指摘。市側代理人は「一般公開しており、学習の場や観光資源として重要な役割がある。施設の意義を十分検討してほしい」と訴えた。

 政教分離をめぐり、大法廷は過去に空知太(そらちぶと)神社訴訟など2件で違憲判断を示している。平成22年の同訴訟の判決では、宗教的施設に公有地を無償提供する是非について「施設の性格や無償提供の経過と態様、一般人の評価などを考慮し、社会通念に照らし判断すべきだ」との判断枠組みを示した。