住宅クライシス

マンション修繕費用は適正か 「ミス」で4000万円「値引き」

報告書は、「バックマージン」を伴う談合により工事金額がつり上がった可能性まで指摘。管理会社は産経新聞の取材に対し、「虚偽」とされた発言は「(専門機関への)申請の受け付けが済んだという意味を『提出済み』と表現してしまった。ミスだ」と釈明する一方、報告書が指摘した談合などの不正は否定した。ただ一連のトラブルを受け、現在はこのマンションの管理業務委託を外れている。

ずさんさ目立つ

施工会社も不正は否定したが、調査結果を受けた住民側から4千万円の値引きを要請され、「協力金」名目で支出するという異例の対応をとっている。協力金について、施工会社は「管理会社側に落ち度があった」としながらも、「管理組合との交渉の長期化リスクなどを考慮し、異例の額だが支出を受け入れた」と説明。一方、管理会社は「支出はあくまでも施工会社の判断だ」としている。

調査を行った同NPOの増永久仁郎代表は「重要書類が存在しないなど、ずさんな点が目立った」とこの工事全体について指摘。「明確な証拠はない」としつつも「不正を疑われても仕方ない状況だ」とし、こうした大規模修繕をめぐる対応については、住民側も注視すべきだとしている。(岡嶋大城)

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