【マッキーの動物園日記】誤解招くフンボルトペンギンに氷山のイメージ - 産経ニュース

メインコンテンツ

マッキーの動物園日記

誤解招くフンボルトペンギンに氷山のイメージ

ペンギン舎の展示場の裏側の様子
ペンギン舎の展示場の裏側の様子

 「動物園マニア」の目線で天王寺動物園の経営を進めている牧慎一郎園長がフンボルトペンギンの展示について解説します。温帯に生息するで、動物園でよく見る氷山をイメージした展示場には違和感があるとか。

 牧園長が平成27年4月から産経新聞で掲載してきた動物園日記の過去記事から選りすぐりをお届けします。

 今回はペンギン舎の話。当園では大柄なオウサマペンギンと小柄なフンボルトペンギンの2種類のペンギンを飼育展示しています。

 当園のペンギン舎は、東面にプールのある屋外放飼場、西面に冷房完備の屋内展示室があります。オウサマペンギンは亜南極のペンギンなので、暑い時期は屋内で過ごしますが、フンボルトペンギンの方は温帯のペンギンなので少々暑くても大丈夫。一年中屋外で過ごしています。

 さて、屋外の放飼場を見ると、床が白いペンキで塗られていますね。こういうペンギン展示場は多いですし、多くの方は特に疑問に思わないでしょうが、動物園マニア的には違和感があります。

 この白い床は、多くの日本人がもつペンギン=氷山のイメージに合わせた展示場なのでしょう。しかし、実際にはフンボルトペンギンって暖かい地域のペンギンですから、氷山なんて寒くて住めない。動物園が誤ったイメージの再生産に手を貸すのはいかがなものかと。

 そこで、現在計画中の新しいペンギン舎では、氷の上でなく土や岩の上にいるフンボルトペンギンを見せて、野生の生息地をイメージできるような施設を実現したいと考えています。大阪人のペンギンイメージを変えたい!

 ただ、現在の施設でもすてきな眺めのところがありますよ。ペンギン舎の屋外放飼場から南面にまわると展示場の裏側がのぞける場所があります。ここには土の上のペンギンの姿が。私はこの眺めが好きで、よくここからのぞいてペンギンを観察しています。

 屋外放飼場と裏側はペンギンたちが自由に行き来できるので、外にペンギンが少ないときは裏側にいるはず。また、こちら側には巣箱が置いてありますので、先日かえったばかりのヒナの姿が垣間見えるかも。ぜひのぞいてみてください。 

(天王寺動物園長兼改革担当部長 牧慎一郎、平成30年3月17日付朝刊から)

 現在の天王寺動物園ではオウサマペンギンは他園に出園し、屋内の冷房施設エリアはフンボルトペンギンが使っています。