浪速風

宣言下、山岳ガイドの心構えで

アイガー北壁に冬季単独登頂し、帰国した長谷川恒男さん
アイガー北壁に冬季単独登頂し、帰国した長谷川恒男さん

アルピニストの長谷川恒男は、世界で初めてアルプス三大北壁(マッターホルン、アイガー、グランド・ジョラス)の冬季単独登攀(とうはん)に成功した人物として知られている。生計の手段にしていた山岳ガイドで培った技術や経験が、過酷な環境から生還する一助となった

▶「ガイドは登山者に危険を与えないがために落ちられない。登山者に対する責任を持って行動する。それは的確に登るということにほかならない」。『生きぬくことは冒険だよ』(集英社文庫)の中で、長谷川はガイドとして登山者の安全を確保することが、自分の生命に責任を持つことにつながると指摘している

▶「登山者」を高齢者や基礎疾患のある人に置き換えてみたら、どうだろう。感染収束という目標にたどりつくまで、危険にさらすわけにはいかない。再発令された緊急事態宣言下では、一人一人がガイドの意識を持つ必要がある。「的確な行動で責任を果たす」との心構えが、自身の感染も防ぐのだ。