沖縄で自衛隊員成人式 駐屯50年で初めて地元首長が祝辞(2/2ページ) - 産経ニュース

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沖縄で自衛隊員成人式 駐屯50年で初めて地元首長が祝辞

 とくに那覇市では50年、「混乱する恐れがある」として自衛隊に成人式への参加辞退を要請。52年には革新系市長が「自衛隊は招かれざる客」と発言して参加を拒否し、那覇地方法務局が人権問題として調査に乗り出す事態となった。

 那覇市は54年に方針を改め、隊員に招待状を送るようになる。だが、市職労などが反発し、会場の入り口で労組員らが新成人の隊員を取り囲み、追い返すような活動を毎年繰り返した。

 平成に入ると過激な活動は下火になるも、革新系の市民団体などによる抗議集会は11年頃まで続く。那覇駐屯地では独自に祝賀式典を開催してきたが、自治体の首長が来賓として関わることはなかった。

地域に貢献を

 状況を変えたのは、長年にわたる自衛隊の活動だ。

 沖縄には今も先の大戦時の不発弾が地中に埋まっているが、発見され次第、陸自の部隊が処理してきた。離島の緊急患者空輸も行い、昭和47年の活動開始以来、1万人以上の県民の命を救っている。

 昨年も、1月にうるま市などで豚熱(CSF)が発生した際には災害派遣で出動し、殺処分や消毒支援に奔走。新型コロナ対応でも4月と8月に玉城デニー知事からの災害派遣要請を受け、患者の輸送や看護師派遣に努めた。

 こうした活動が県民から評価され、沖縄本島では現在、自衛隊への抗議活動はほとんど行われなくなっている。

 今回の成人式での首長メッセージは、県民の自衛隊感情を踏まえ、那覇駐屯地が各首長に要請した結果、初めて実現したものだ。

 司令の嶋本学1佐は「隊員であるとともに地域の一員であることを自覚し、地域に貢献できる成人になってほしい」と話す。

 コロナ禍で式典を実施したことについては「自衛隊は、リスクを抑える万全の準備をした上で、リスクと隣り合わせで実動する組織だということも伝えたかった」とした。

(川瀬弘至)