データ活用で日本企業が出遅れ挽回 信頼武器に巻き返し GAFAの課題を克服

21世紀の石油と呼ばれる個人データの活用で米グーグルなどGAFA(ガーファ)と称される巨大IT企業に対する出遅れが目立っていた日本企業が反転攻勢の準備を整えている。GAFAなどによるデータの抱え込みにはプライバシー面などでの課題も指摘されるが、日本企業は個人との信頼関係を築いたうえで情報を集めるビジネスモデルを模索。日本企業への信頼感が海外でもブランドとして通用する強みもある。各社は社会や経済のデジタル化を目指す菅義偉政権の後押しも受け、世界市場での巻き返しを狙う。

「GAFAにはまねできない事業だ」

介護事業を営む損害保険大手のSOMPOホールディングス(HD)の尾股宏CDO(最高デジタル責任者)は、介護とデータを組み合わせた事業の強みに自信をのぞかせる。

同社の介護施設では、ベッドの下のセンサーなどで心拍数や入所者が寝ているか起きているかといった情報を収集。これに食事の量や、排せつ情報などを組み合わせて分析を加え、健康状態の維持・改善や現場で働く人の労働環境の向上に役立てている。高齢化が進む日本で得られるデータが導き出す介護事業のノウハウは将来的な海外展開での武器となる。

GAFAはインターネット検索やネット通販での購買履歴などから個人の行動や好みを分析し、広告事業などでの収益につなげているが、「監視社会につながる」との反発も強い。SOMPOHDが健康に関するデリケートな情報を集められるのは、介護事業を実際に運営し、入所者と寄り添うことで本人からの同意を得ているからだ。

日本企業は信頼性の高さを力の源としてきた。総務省の平成27(2015)年の調査では日本のIT企業の6割強が国際競争での強みとして、サービスや製品の機能や品質の高さを挙げた。充実した顧客対応サービスも5割弱が強みとみている。