マスク、ブローチ、お守り…「鬼滅の柄」繚乱 悪質便乗は許さぬ、集英社が商標出願

 1年ほど前からファンの参拝が増えると、緑色の他に桃色、黄色のお守りが極端に減るように。次第に炭治郎と禰豆子、仲間の我妻(あがつま)善逸(ぜんいつ)のイメージカラーだと気づいた。お守りの願意はそれぞれ厄よけ、安産、開運で、西本宮司は「お守りというよりグッズ」と苦笑い。そこで新たにこの3色で「御守」とだけ書かれたものを作った。

 こうした色とキャラの結び付けは、「特に女性の間に浸透する文化で、隠れファングッズのようなもの」と岡本准教授。例えば炭治郎なら緑と黒をアクセサリーやネイルなどに取り入れれば、外出先でもひそかに推しを忍ばせることができる。近年は聖地側も積極的にニーズに応え、作品やキャラを想起させる色のグッズを展開するなど、「制作者の権利に触れない範囲で楽しまれてきた」という。

イメージ保護には限界

 だが、集英社が炭治郎の着物の柄など6件を昨年6月に商標出願したのは、量販店などで鬼滅柄の商品が出回っているためだ。「悪質な便乗商品、違法なコピー商品を阻止し、正規品の流通を守る」と同社。出願対象はスマートフォンのケースやTシャツなどさまざまだが、生地は含まれない。

 特許庁によると、「マークや色彩を見た一般の消費者がブランドと認識するもの」でなければ登録されない。例えば出願された市松模様は「色彩のみからなる商標」に準じた審査になるとみられるが、今月13日時点で、この商標に出願された546件のうち登録は8件のみで、対象商品も限定される狭き門だ。

 弁理士の前渋(まえしぶ)正治さんは「他者の表現活動を不当に制限してはいけないというのが法の趣旨」と解説。便乗商法の問題は以前からあるが、作品やキャラの「イメージ」の保護には限界があるのが現状で、「作品が生み出す経済的価値は可能な限り守られるべきだが、時代に合わせ、イメージの保護も一定の範囲で認められていくことを期待する」と話している。