経済インサイド

2050年カーボンニュートラルへ 脱炭素加速の一年に

世界最大級の水素製造施設「福島水素エネルギー研究フィールド(FH2R)」=福島県浪江町(那須慎一撮影)
世界最大級の水素製造施設「福島水素エネルギー研究フィールド(FH2R)」=福島県浪江町(那須慎一撮影)

菅義偉(すが・よしひで)首相が表明した「2050年温室効果ガス排出量実質ゼロ」に向け、令和3年は具体的な取り組みが加速する一年となる。政府が水素や洋上風力発電などの再生可能エネルギーの積極活用に向けて動き出す一方、企業の自主努力表明も増加するとみられる。今夏にも策定される第6次エネルギー基本計画で再生エネや原発などの電源構成の見直しが図られるが、この結果を踏まえ、開催が1年延期となった第26回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP26)に向け、日本として積極的な環境負荷低減目標を示すことができるか注目される。

「現時点での技術では達成が難しいという印象もあると思う。ただ、われわれでは及びもつかないもの(=技術など)が2030年、35年に出てくる可能性もある。そういったものを機動的に取り込んでいきながら対応していきたい」

昨年12月25日、「50年カーボンニュートラル」実現に向けたグリーン成長戦略の具体策発表を受け、梶山弘志経済産業相は、こう意気込みを述べた。

菅首相が「主力電源」と位置付ける再生エネについては、水素の利用や、二酸化炭素(CO2)の回収・貯留などさまざまな技術の活用で「革新的なイノベーション」を目指す方針だ。

経産省などが掲げた具体策では、50年に向け、洋上風力発電や水素技術の普及拡大で電力部門の脱炭素化を図るなど14項目で踏み込んだ数値目標が並ぶ。

洋上風力発電に関しては、40年までに最大4500万キロワットの導入を目指しており、海域の専用ルールの整備や風力発電の適地と電力の需要地を結ぶ系統整備の検討などを行う計画。

カーボンニュートラルのカギとなる技術と位置付ける水素は、50年に化石燃料と十分な競争力を持つ水準となるよう、導入量は50年に2000万トン程度を目指す。今後、需要が見込まれる水素発電タービンの安定燃焼に向けた実証を支援し、商用化を加速させる。