チュニジア政権崩壊から10年 「アラブの春」の先駆け いまも続く経済不振

 「第2のアラブの春」として注目を集める国もある。反政府デモを端緒に19年、長期政権が崩壊したスーダンとアルジェリアだ。

 このうちスーダンでは食料品価格の急騰を理由にデモが始まり、クーデターで約30年続いたバシル独裁政権が倒れた。民政移管に向けて軍民合同の暫定政権が地ならしを進めている。

 首都ハルツームの記者、エッサさんはSNSを通じ、「バシル政権は民主主義の基礎を破壊し、紛争や人種差別を助長した」と政権の崩壊を歓迎した。しかし、経済は以前より悪化しているとの見方もある。ハルツームでは昨年12月中旬、改革の停滞を批判するデモが起きた。軍が権力拡大の機会を狙っているとの指摘もある。

 日々の暮らしが上向かなければ、人々が「春」の訪れを実感することはできない。獲得した民主化の先にも、正念場がある。

 ■アラブの春 中東・北アフリカのアラブ諸国に拡大した反政府活動。2011年にはフェイスブックやツイッター、携帯電話などでつながった若者たちが大規模デモを繰り返し、エジプトやリビア、イエメンで長期独裁政権を崩壊させた。一方、リビアやイエメンのほかシリアでは、デモの混乱が長期化する中でイスラム過激派などが台頭、内戦に発展した。