IT見本市「CES」オンラインで開幕 日本勢は出展に二の足

 世界最大級の家電IT見本市「CES」が11日(米国時間)に開幕した。例年は米ラスベガスで開かれていたが、今年は新型コロナウイルスの流行を受け初めてオンラインで開催。初日からソニーなどが新製品や新技術を披露し、ニューノーマル(新常態)に絡む展示も目立つ。ただ、出展企業数(団体含む)は昨年の約4400社から約1900社と大幅に減少。日本企業の出展見送りも相次ぎ、効果を疑問視する声も出ている。

 ソニーは、開幕に合わせて開いたオンライン発表会で、映像制作者向けに今年春から販売する空撮用小型無人機(ドローン)「Airpeak(エアピーク)」を公開。同社のミラーレス一眼カメラを搭載し、安定した飛行性能で迫力のある映像を撮影できるという。吉田憲一郎社長は発表会で「空を限りない創造のための場所に変える」と強調、新分野の開拓に意欲を示した。

 パナソニックは、新型コロナの感染防止に役立つ製品や技術を展示。エアコンなどに搭載する空気清浄機能「ナノイー」の航空機内部での活用を提案しているほか、アプリで注文した食品を人と接触せずに受け取れる「スマートロッカー」も披露している。

 11日には、電池のリサイクルを手掛けるベンチャーの米レッドウッド・マテリアルズと組み、希少金属で高価なコバルトを使わないリチウムイオン電池を開発することも発表した。

 海外勢では、韓国LG電子と中国TCL集団が、巻き取ったりしてサイズを変えられるスマートフォン画面の動画を公開。TCLの画面は6・7インチから7・8インチに拡張する。韓国のサムスン電子は人工知能(AI)を搭載した自動掃除機を発表した。

 一方、今回はシャープや三菱電機、トヨタ自動車などが出展を見送った。シャープは理由を「総合的な経営判断の結果」と話すが、オンライン化で来場者と商談したり、投資家へアピールしたりする機会が限られると判断したようだ。出展に踏み切ったパナソニックも、日本向けの製品については東京で取引先などに限定した展示ツアーを実施。担当者は「特に新規事業においては担当者が顧客とリアルでつながる機会が必要」と話す。CESの会期は14日まで。