九州・山口 新年インタビュー

(5)「鉄道事業の効率化と新分野の開拓を」青柳俊彦・JR九州社長

 経費削減策は、以前から計画していた組織見直しや財務関係のデジタル化などをコロナ禍の中で実行している。リモートワークは制度すらなかったが、実現することができた。おかげでコピー用紙は半減できた。コロナが一石を投じたところはある。

 ■コロナに負けない年に

 今後の経営見通しは、鉄道を基盤にした会社なので、どの時点で3分の1になった鉄道部門の収益が回復するかがポイントだ。1~2年で戻るものじゃないと覚悟している。3~4年で回復し、さらにコロナ前を上回るような戦略を練っていかないといけない。ウィズコロナの中でも次の中期経営計画で事業を拡大する戦略を練りたい。

 3月にはダイヤ改正、4月には熊本駅ビルの開業を控えている。「安全とサービス」を確保しながら収支を改善し、これらの事業を確実に実施したい。鉄道会社としてもコロナに負けない年にして、元気な九州づくりのために頑張りたい。

(永尾和夫)

 【青柳俊彦(あおやぎ・としひこ)】 昭和28年8月、北九州市門司区生まれ。52年、東京大学工学部卒業後、日本国有鉄道に入り、国鉄の分割民営化に伴い、62年、JR九州総合企画本部経営管理室副長。専務取締役鉄道事業本部長兼北部九州地域本社長などを経て平成26年6月、社長に就任。

会員限定記事会員サービス詳細