朝晴れエッセー

学生寮へのエール・1月11日

自宅近くに学生寮がある。寮祭になると、丁寧に「夜9時終了」の知らせが届き、にぎやかさが本当にその通りに終わる。毎年「われわれの寮祭って、深夜までだったよな」と家内とクスクス笑ってしまう。

そんな寮は、クリスマスが終わると、夜明け前からガラガラとキャリーバッグの音が響きわたる。帰省だ。迎える家族も楽しみだろうなと、布団に包まりながら心地よく聞いていた。

しかし、今年は違った。音もしなければ、荷物を持って出かける姿もない。自粛を求められ、部屋に巣ごもりしているのだろうか。

夜、煌々(こうこう)と電気のついている部屋を見上げる。すると、コロナ禍のなかでも帰省したい気持ちと、東京からは行けない気持ちの葛藤が手に取るように伝わってくる。私も学生時代、帰省がとても楽しみだった。

今、ウイルスが拡散するなか、さまざまな社会活動は人の命を巻き込んでいく。だから自重し、自分の目標に取り組んでほしいと願う。

いつの時代も「最近の若者は…」と酷評されながらも、若者はたくましく適応してきた。この寮生たちもきっと大丈夫なのだ。それでも、一人一人の親に代わって、小部屋に向かい「今はとにかく辛抱。勉強頑張れ!」と、エールを送らずにはいられない。

そしていつの日か、懐かしい思い出、いや貴重な教訓として、後生に語り継いでくれることを心から願っている。

荒井茂(66) 東京都西東京市