北海道は9日、新型コロナウイルスのクラスター(感染者集団)が7日に発生したニセコ地区の倶知安(くっちゃん)町のバーで、利用客23人の感染が確認されたと発表した。この店の感染者は従業員4人を含め計28人となった。また、十勝地方のクラスター4件で新たに感染者計8人が確認されたことも明らかにした。
道によると、倶知安町のバーの感染者は年末年始に店内で開かれたイベントの参加者と店の従業員で、店内が密集・密接状態となったとみられる。また、マスクの着用が徹底されていなかった。
道は、店のイベントに参加した客74人と従業員5人の計79人の検査を実施した。検査対象者の中には外国人が含まれるが、観光客はいなかったという。
十勝地方で感染者が増えたクラスター4件のうち3件はいずれも音更(おとふけ)町で、介護老人保健施設「あんじゅ音更」は感染者が2人増えて計71人に。「帯広徳洲会病院」は3人増えて計42人、住宅型有料老人ホーム「北勝館」は2人増えて計10人となった。
音更町は、十勝地方の中心都市・帯広の通勤圏で人口約4万4000人。十勝川温泉で知られる。昨年12月15日以降にクラスターが相次いで発生していた。
残る1件は新得(しんとく)町の養護老人ホーム「ひまわり荘」で、感染者が1人増えて計13人となった。
北海道では9日、4人の死亡と215人の感染が確認された。新たなクラスターの発生は確認されなかった。道内の1日当たり感染者数が200人を超えるのは昨年12月10日の241人以来、約1カ月ぶり。
道内の死者は計500人、感染者は延べ1万4529人(実人数1万4492人)となった。9日午後6時時点の患者数は1456人で、このうち重症者は12人。
9日の新たな感染者は、札幌市110▽旭川市7▽小樽市19▽函館市10▽空知地方1▽石狩地方16▽後志(しりべし)地方23▽胆振(いぶり)地方7▽渡島地方2▽オホーツク地方2▽十勝地方14▽釧路地方3▽その他1-の215人。