朝晴れエッセー

拝む人・1月8日

皆さんは、寝るときどんなふうに寝ているだろうか? 夫は仰向けで両手の五指を組み合わせ胸の上に乗せて寝る。いつからそんな寝かたをするようになったのか。まるで亡くなって安置されている人のようだ。そのせいかよくうなされている。

「あーっ、うわああー」と叫ぶ夫の声に何事かと私は驚いて様子を見に行く。

「大丈夫?」

「うん。大丈夫や。自分の声で目、覚めたわ。亀に追いかけられる夢を見てなあ…」

「もうびっくりするわー」

こんなことが再三あり、いつも亀に追いかけられるらしい。何でやねん?

以前はその度に起こしたり、生きているかそっと寝息を確かめたりした。だが今や「またか」という感じで、うなされていてもその後トイレに行く様子から、生きているなと気配だけで生存確認終了。

私は眠れなくなり、夫はまたすぐ寝入るよう。いったいどういうこっちゃ。たまらん。安眠を妨害される日々。それでもときに組んだ手を解いてやる。

「また死んだ人になってんで」「そんな寝かたするから、うなされんや。やめえや。死んだ人」

「いやいや、これが楽で落ち着いて気持ちがええねん」

「気持ち悪いわ。うなされとるやんか…何か悪いことしたんちゃうか。かなんなあ~」

「ええやんか」とのたまう。こんな寝かたする奴いるか~。

あー神様。私に安眠の日々を。そして組んだ手がそのまま解けない日が来ませんように。

後藤田郁子 59 大阪府阪南市