【縁 災害が結んだ、私たち】(7)きっかけ食堂 コロナ禍もオンライン交流で東北との縁つなぐ(2/3ページ) - 産経ニュース

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縁 災害が結んだ、私たち

(7)きっかけ食堂 コロナ禍もオンライン交流で東北との縁つなぐ

 3年前に被災地できっかけ食堂のメンバーと知り合い、その後も交流を続けている岩手県大船渡市の漁師、中野圭(34)は「きっかけ食堂は、『食』という関わりやすいテーマを通じて、人のつながりなどを提供してくれている。東北や現地の生産者の気持ちも知ってもらえる場で、その一人としてもありがたく感じている」と話す。

 同市の山でジビエ用のシカやイノシシなどをとる金野誠也(33)も「東北に縁もゆかりもない人たちを巻き込んで、東北を思う日を作ってくれている。地元の思いや特産品などを発信できる場を提供していただけることは、率直にありがたい」と口にする。

 原田の大学卒業後は後輩らが引き継いだ。一昨年までは、月一回の食堂開店のほか、定期的に宮城、岩手県といった被災地を訪れ、現地で農家や漁師らとの交流を続けてきた。しかし、コロナ禍で昨年3月以降は食堂の営業自粛を余儀なくされ、被災地訪問や現地での交流活動も断念した。

 「東北に1度も行けなかったのは昨年が初めて」

 原田から数えて3代目の京都代表、武田彩(25)は悔しさをにじませる。高校時代から東北の復興支援に携わっていた。ボランティアを通じて原田と知り合い、4年前にきっかけ食堂のメンバーに誘われた。

 「食堂は多くの人に親しまれ、心のよりどころとなっている」と実感していた。それだけに、営業自粛は断腸の思いだった。