《独自》オスプレイ、佐賀の代替地選定へ 中国念頭に九州の基地想定

防衛省
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 防衛省が、陸上自衛隊の輸送機オスプレイの佐賀空港(佐賀市)への恒久的な配備計画に地元の理解が得られないことを受け、月内にも佐賀空港に代わる候補地の選定に着手することが5日、分かった。令和2年7月に木更津駐屯地(千葉県木更津市)へ5年の期限で暫定的に配備したが、中国による南西方面の離島侵攻に備え迅速に展開することの危機感から、代替候補地は南西方面に近い九州の自衛隊基地を想定している。

 平成26年7月に防衛省が佐賀空港への配備計画を表明して以降、重大な方針転換となる。

 陸自のオスプレイは離島防衛を担う日本版海兵隊として30年に相浦(あいのうら)駐屯地(長崎県佐世保市)で新設した水陸機動団の輸送が主要な任務だ。尖閣諸島(沖縄県石垣市)など南西方面の離島に中国が侵攻した際、水陸機動団を迅速に輸送するには相浦駐屯地から約60キロしか離れていない佐賀空港は適している。

 オスプレイは31年度から佐賀空港に配備する予定だった。空港西側に駐機場や格納庫、隊庁舎を整備し、17機のオスプレイを配置することを計画していた。

 佐賀県の山口祥義(よしのり)知事は30年8月、配備計画の受け入れを表明した一方、地元の有明海漁協の了解が得られていない。漁協には配備予定地の地権者が多く所属し、防衛省は用地を取得できない状態が続いている。

 漁協の了解を得る上で障害となっているのは佐賀空港建設にあたって平成2年に空港管理者の県が漁協などと締結した公害防止協定だ。協定の覚書付属資料に「県は佐賀空港を自衛隊と共用するような考えを持っていない」との記載があり、オスプレイ配備を可能にする協定見直しで県と漁協の協議が難航している。

 配備計画の大幅な遅れを受け、防衛省は令和2年7月、木更津駐屯地に2機のオスプレイを暫定配備したが、同7月から5年以内と期限を設けた。恒久的な配備に向けた施設整備などの期間を踏まえ、佐賀空港配備で漁協の了解を得るためだけに時間を費やしていては計画を断念した場合に手遅れになるとして防衛省は代替地の選定に入る。

 代替地は相浦駐屯地に近い九州に位置し、地元調整や施設整備を行いやすい自衛隊基地を軸に検討する。

 防衛省は3年度予算案で用地取得などに25億円を計上した佐賀空港配備計画も当面は断念せず、代替地選定と同時並行で地元との調整は継続する。