フィギュア絶対王者、羽生結弦の前人未到の挑戦 4回転アクセル「幻想のままにしたくない」

フィギュア絶対王者、羽生結弦の前人未到の挑戦 4回転アクセル「幻想のままにしたくない」
フィギュア絶対王者、羽生結弦の前人未到の挑戦 4回転アクセル「幻想のままにしたくない」
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 フィギュアスケート男子で五輪2連覇の羽生結弦(ANA)がリンクに帰ってきた。コロナ禍の今季は感染リスクを憂慮してグランプリ(GP)シリーズを欠場したが、昨年末の全日本選手権で今季初戦のリンクに立った。ショートプログラム(SP)、フリーともに圧巻の演技で優勝。完璧にして、鮮やかな5年ぶりの王座奪回劇だった。絶対王者と称される26歳のこの先は-。全日本で残した幾多の言葉から、超大技のクワッドアクセル(4回転半ジャンプ)と来季に迫る北京五輪への「現在地」を探った。

 全日本を制した羽生は自動的に来年3月の世界選手権(ストックホルム)の代表切符を手にした。北京五輪の日本の代表枠が懸かる重要な大会だ。

 「開催されるかがまだ分からない。世の中の状況を見ながら、自分ができる最大限の努力をしたいなっていうのが今の気持ち」。優勝直後には慎重に言葉を選んでいたが、昨年12月27日の代表発表会見では「全日本王者として参戦する世界選手権。日本人の一人として胸を張って行動したい」と決意を語った。

 コロナ禍に収束の見通しが立たず、感染拡大の「第3波」が押し寄せる中、全日本に出ることに最後まで葛藤があったという。大会中も医療従事者たちへの感謝を繰り返し、コロナ禍で生活が困窮する人たちを気遣い、スケートをする自身に罪悪感を抱くことすらあったと吐露する。

 アスリートにとっての最大の目標にもなる五輪についても心境は複雑だ。

 「開催してもらいたい気持ちがあって、出場して優勝したい気持ちももちろんある。だけど、東京五輪もどうなるか分からない。個人としては(北京五輪について)考えてはいけないというリミットがかかっていて、そこに向けてはシャットアウトしている」。出れば3連覇が懸かる北京五輪に向けた思考は、意識的に停止させていた。