《コロナ禍で延期を余儀なくされた『HIROMI GO Concert Tour 2020-2021 The Golden Hits』全国ツアーの真っ最中だ。会場は感染拡大予防対策を徹底し、定員も半分に制限されているが、2月まで続く42公演はすべて満席という。昨年11月、埼玉・川口のライブでは幕開け曲『逢いたくてしかたない』をはじめ、誰もが知る耳慣れたヒット曲が次々と熱唱された》
50年間でいろんないい曲に巡り合えた。そう言ってもらえるのはうれしいですね。何よりコロナ禍という状況の中、わざわざ会場に来られた方には本当に感謝しかないです。みんなに元気を…ということで、シングルだけで構成したのが今回のツアーのコンセプトです。見に来られる方たちはアルバムに入っている曲を聞きにくるのではなく、結局はシングル(で発売したヒット曲)なんですよ。通常のライブはアルバム曲を入れたりしますが、ファンの方が聞きたいのは、やっぱり『お嫁サンバ』なんだって。もっといい曲が他にもいっぱいあるんだけど…と思っても『お嫁サンバ』だったりアッチッチ(『GOLDFINGER’99』)なんだよね。でもこんないい曲もあるよと改めて気づいてほしいというのも大切ですね。コンサートでは手を替え品を替え、いろんなことをやっています。
《『お嫁サンバ』『よろしく哀愁』『哀愁のカサブランカ』『GOLDFINGER’99』『2億4千万の瞳』など全21曲にファンは歓喜した。過去105枚のシングルで約1300万枚を売り上げている。最新曲『ウォンチュー!!!』(令和2年7月発売)への思いは?》
50年を迎えて原点に返るべきかなと。いろいろ試行錯誤して、「僕の原点は歌謡曲だよな、じゃあ歌謡曲っぽく」を意図して作りました。最初はタイトルも違ったんです。僕がずっと音を聞いていて、前奏でリズムを刻む間の部分にシャウトじゃないけど、歌謡曲っぽく何かを一発入れたかった。聞いているうちに間の部分にウォンチューというふうなシャウトが聞こえた。「それを入れたら歌謡曲っぽくなるな、それがいい」ということで、結局タイトルもそうなった。
半分懐かしさも出しながら、今のサウンドも入れて盛りだくさんにしたんです。間奏も最初に上がってきたものと違って、ラップっぽくして、今と昔をミックスさせて歌謡曲だけによりすぎていない。歌謡曲も感じるけど今もある。そのあたりは、かなり意図して作り込みました。ダンスを含めてライブでも映えるアップテンポの作品になっていると思います。
《最新曲は平成12(2000)年の『なかったコトにして』以来、20年ぶりの音楽誌総合チャートトップ10入り。還暦を過ぎた日本の歌謡曲出身の男性歌手としては初の快挙だった》(聞き手 清水満)