英EU、移行期間終了 年初の1日は物流に大きな混乱なく

 【ロンドン=板東和正】英国を欧州連合(EU)加盟国と同等に扱う「移行期間」が2020年12月31日(日本時間21年1月1日)に終了した。これに伴い、英EU間の人やモノ、サービスの自由な移動は終わり、通関手続きが加わった。年初の1日は物流に大きな混乱はなかったが、今後数日から数週間の間に英仏間を結ぶドーバー海峡で渋滞が発生する可能性も指摘されており、英政府は警戒を続けている。

 英EUは昨年12月に合意した自由貿易協定(FTA)に基づき、移行期間終了後も関税ゼロの貿易が維持される。ただ、物流では検疫や原産地証明の確認といった通関手続きが必要になり、英仏間を往来するトラックの渋滞や貨物の滞留といった混乱が懸念されている。

 英メディアなどによると、ドーバー海峡では1日時点で、懸念されたトラックの渋滞は確認されていない。混乱を警戒した多くの業者が年始直後の英EU間の移動を最小限に抑えたためとみられている。英西部では船でアイルランドに運ばれる予定だった積み荷の一部が通関手続きの書類の不備で差し戻された。

 一方、離脱反対派の多い英北部スコットランドでは独立機運が高まっている。 スコットランド行政府のスタージョン首相は移行期間終了の直後、自身のツイッターで「スコットランドは欧州にすぐに戻る」と投稿した。スタージョン氏は独立の是非を問う2度目の住民投票を行う計画を進めている。仮に住民投票が認められ、独立した場合、スタージョン氏はEUに再び加盟する考えとみられる。