尖閣周辺の中国圧力「冷静かつ平和的な解決を」 新春インタビューで玉城沖縄県知事

沖縄県の玉城デニー知事は新春にあたり、産経新聞をはじめ報道各社とのインタビューに応じた。尖閣諸島(石垣市)周辺で領海侵入を繰り返す中国については「冷静」な解決姿勢を強調。米軍普天間飛行場(宜野湾(ぎのわん)市)の名護市辺野古移転については、改めて反対の姿勢を明確にした。中国の強圧的外交による緊張が高まる中、やや理想主義的な思考ともいえそうだ。

--辺野古問題で国と県との対立が続いている。どのように打開するつもりか

「安倍前首相にも菅首相にも、対話による解決を求めており、その姿勢は今後も変わらない。辺野古の新基地建設ではなく、それを断念して普天間飛行場の県外・国外移設を実現することが沖縄の基地負担の軽減につながり、普天間の危険性の除去につながる。政府には、しっかりと話し合う場をつくってもらいたい」

--政府はこれまで、基地負担の軽減について「できることは全て行う」と表明してきたが、どう認識しているか

「確かに北部訓練場の過半の返還や、西普天間住宅地区の返還については、実現の努力をしてくれたと認識している。他方、外来機による飛行回数の増加や、それに伴う騒音などは、減るどころか増えているのが現実だ。(基地からの)騒音、悪臭、ピーホス(PFOS=発がん性が指摘される有機フッ素化合物)などの調査に努めるとともに、実際の負担軽減に努めてもらいたい」

--国と県との対立が続けば、沖縄振興をはじめ国との協力関係に悪影響を及ぼすのでは

「辺野古移設への反対姿勢により沖縄振興の予算に影響があってはならない。過去の国政選挙や昨年2月の県民投票によって、辺野古移設反対の民意は明らかだ。その民意を政府がどのように重んじ、協議していくのかが大切なのであり、沖縄振興と絡めた議論にしてはならない」

--(東アジア最大の米空軍基地である)嘉手納基地の必要性、危険性などについての認識は

「私は、日米安保については認める立場だ。米軍基地の運用についても一定の理解は持っている。しかしその運用状況については、しっかり把握しなければならない。行政との情報の共有や連携も含め、米軍に対しては必要に応じて要請行動をしていく」

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