目指すは「グーグルアース映え」 うなぎパイの春華堂、巨大テーブル型本社屋、4月開業目指し建設中

世の中にないものを

 老朽化した本社の建て替えに伴い「作るならば世界唯一のものを」と企画が始まったのは25年。設計は、東京タワーや東京スカイツリーなど日本を代表する建造物に関わってきた日建設計(東京)などに依頼した。「家族団欒」「アニバーサリー(記念日)」など春華堂が示したキーワードを元に、さまざまな案が出された。

 だが「世の中にまだないものを」と指向する春華堂側は、高いハードルをさらに上げる。宙に浮いたように見える世界の建物を調べ、山崎貴裕社長からは「天空の城とか動く城みたいに浮かせられないか」との希望も出たとか。

 会社自ら「迷走期」と自虐的に説明するほど決まらない中、社員はもちろん日建設計なども交え膨大なイメージ画を出し合ってようやく28年、巨大な世界に入り込む「ガリバー感」のテーブルと椅子、という方向性が固まった。広報担当者は「日建設計さんからは『こんなにダメ出しをくらったのは初めて』と言われてしまった」と苦笑する。

 だが、さらに紆余(うよ)曲折があった。

リアル優先し延期

 あとは着工という段階で行われた役員プレゼンで、建物模型のテーブルの脚元を見た山崎社長が一言。「これだと(人の)足が入らないよ」。テーブル下に建物2階部分の床があり、これでは足を入れるスペースがなく、テーブルの機能が果たせないのではないか-との指摘だった。

 このまま進んでもおかしくなかったが、チームは完成度を優先し「工事中断」の決断を下す。工期は組み直され、完成が予定から4年遅れることになった。

 しかし、修正するだけでなくリアルさをとことん追求。取引のある家具業者に社員らが勉強に出向き「家具とはどんな構造なのか」から学んだ。