正論2月号

司法も事実認定した 元朝日記者の「ねつ造」 本誌編集部 安藤慶太

【正論2月号】司法も事実認定した 元朝日記者の「ねつ造」 本誌編集部 安藤慶太
【正論2月号】司法も事実認定した 元朝日記者の「ねつ造」 本誌編集部 安藤慶太
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 ※この記事は、月刊「正論2月号」から転載しました。ご購入はこちらをクリック

 慰安婦問題をめぐって元朝日新聞記者でジャーナリスト、植村隆氏がジャーナリストの櫻井よしこ氏らを相手取って起こした訴訟に、このほど司法の判断が示された。

 結果は植村氏の全面敗訴だった。なお、植村氏は、麗澤大学客員教授、西岡力氏とも係争中だが、一、二審とも全面敗訴が続き、現在上告中だ。西岡氏への訴訟の一、二審判決では、取材した慰安婦が「日本軍による従軍慰安婦の強制連行」を裏付けた事例ではないことを認識していたにも関わらず、植村氏はあえて事実と異なる記事を書いたことが明確に認められた。

 植村氏の記事に意図的な事実の捻じ曲げがあった、即ち「捏造」だったことを裁判所が事実認定したのである。

 これは朝日新聞がこれまで、繰り返し述べてきた説明を根底から覆すものである。植村氏の「捏造」が事実として認定されたことで、今後の焦点は朝日新聞社が推し進めた「従軍慰安婦の強制連行」という虚構の報道における新聞社としての具体的な意図や悪意を解明することになるだろう。

 問題は櫻井氏への訴訟が確定後、植村氏らが、裁判によって自分の記事が「捏造でなかったことが明らかになった」などと真逆の発信をしていることである。植村氏側の思惑に沿った報道も散見される。

 本稿では櫻井、西岡両氏への判決内容を正しく紹介するとともに、判決内容がどのように歪められて喧伝されているのかについても詳述したい。

 そもそも、自分の記事への批判を、言論でなく裁判所に持ち込んだのは植村氏である。司法の判断が出された今、植村氏に求められるのは裁判所を批判し、判決を歪めることではなく、向き合って言論の場で説明することだろう。

■植村氏執筆の慰安婦記事

 まず訴訟で何が争われたのか、簡単に振り返っておこう。核心となるのは、朝日新聞大阪版の平成三年八月十一日付朝刊で植村氏が執筆した記事である。 記事には「戦場に連行され」と、「強制連行」をにじませた記述が盛り込まれているが、後段で証言者の女性(金学順氏=故人)について「だまされて慰安婦にされた」とある。金氏を騙した主体が誰なのか、記事にはなく、慰安婦と女子挺身隊という関係ないものが混同されていた。