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チンパンジー研究の世界的権威らが陥った不正経理の温床

チンパンジー研究の世界的権威らが陥った不正経理の温床
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 チンパンジー用飼育施設の設備工事をめぐり、京都大霊長類研究所(愛知県犬山市)で発覚した総額11億円超に上る巨額の研究費不正。名門研究所を揺るがした一連の問題は、関与したチンパンジー研究の第一人者で元所長の松沢哲郎氏(70)=懲戒解雇=ら計6人が懲戒処分される形で一区切りを迎えた。霊長類研究の世界的権威らが不正に手を染めた背景には、特殊な研究環境ゆえの理由があったようだ。(桑村大)

11億円超の研究費不正

 愛知県犬山市の閑静な住宅街にある霊長研。敷地内にはサルの鳴き声が響き渡り、道なりに進んだ先には、高さ16メートルの巨大な檻(おり、ケージ)が姿を現す。これが、今回の不正支出の舞台となった飼育施設だ。

 京大や会計検査院は、松沢氏ら教員4人が、飼育施設整備をめぐり、見積書を作成した業者を入札に参加させた入札妨害や、架空取引などで不正経理があったと公表。総額は約11億3千万円にも上った。

 霊長研では、近くに連絡通路で結ばれた檻がもう1基あり、熊本県にある京大の研究施設にも同様に2基が整備されている。

 これらについて、松沢氏は令和2年3月に発表した論文で「野生下のようにチンパンジーが複数の生息地を自由に行き来できる環境を実現したかった」と説明。建設費用は「総額1千万ドル強(10億円相当)」と紹介していた。

特殊な依存関係

 こうした特殊な施設を扱える業者は独自のノウハウが必要なため、松沢氏もホームページで「国内に2社しかない」と記していた。

 一連の不正経理を調べた京大の調査委員会も「特定の業者に依存した関係を保つことで長期にわたって研究を続けてきた実態があった」と認定した上で、不正経理の背景をこう指摘した。「自らの研究の遂行を優先し、ケージの取引で多額の赤字を抱え、経営が困難だった業者側に必要以上に便宜を図った」「業者が存在しなくなると、研究の推進に不備が出るとの懸念があった」