一時は体脂肪率3%…陸上の新谷仁美が警鐘 女性選手の無月経問題

【陸上・新谷仁美公開練習】練習後に会見する新谷仁美=25日、東京・世田谷区立総合運動場(田村亮介撮影)
【陸上・新谷仁美公開練習】練習後に会見する新谷仁美=25日、東京・世田谷区立総合運動場(田村亮介撮影)

 富士山女子駅伝が30日に開催されるなど、陸上界はロードレースのシーズンだ。厳しいトレーニングを続ける女子長距離選手は、時に月経が止まってしまうなど特有の健康問題を抱えることがある。無月経になると女性ホルモンが減少。長期化すると治りにくい。妊娠しにくくなり、骨密度が低下して疲労骨折もしやすくなってしまう。32歳にして女子1万メートルの日本記録を塗り替えた新谷仁美(積水化学)は、この問題に対して積極的に発信し、警鐘を鳴らしている。産経新聞の取材に、過去の経験や現在の考えを語った。(宝田将志)

 《新谷はモスクワ世界選手権1万メートルで5位入賞を果たした7年前、無月経だった。身長165センチに対して体重40キロ、体脂肪率3%まで体を絞り込んでいたことを自身のSNSで明かしている》

 「中学、高校の頃は普通に(食事で)ご飯2杯とか食べていた。社会人になって『生理がまだあるのか?』『(体重を減らすために)今日はサラダだけにしろ。炭水化物を抜け』などといった(指導者の)声が耳に入る環境にいたが、自分は聞き入れてはいなかった。『結果を出さないといけない』という気持ちと同じように『生理をなくしちゃいけない』という考えも持っていたから」

 「だけど、かかとを痛め、『痛みを緩和させるには体を軽くした方がいいかな。その方が結果を出しやすいかな』と、浅はかに減量に入ってしまった。誰かの指示でなく、自分で決めたこと。当時の姿を見ると、ガリガリで気持ち悪い。アスリートとしても、女性としても、人間としても、見ていられない。あそこまでする必要があったのか。なかったのではないかと思う」

 《当時の自分に掛ける言葉があるとしたら》

 「『人として強く生きる部分をなくしてしまうよ』と掛けたい」

 《月経は女性にとって不可欠なものだが、月経痛や月経前の集中力欠如、体重増などもある。試合や練習の妨げになるとして、「月経はなくていい」という誤った考えを持つ関係者がいる。その一方で、月経周期を調整できる低用量ピルもある》

 「もちろん人によって、ピルを飲むことで改善されることはあると思うけど、すべての人に合うものではない。しっかり調べて服用してほしい。『競技をやめたら生理は来る』という人もいるが、それは違う」