スポーツクライミング3種目の施設完備で聖地に名乗り

スポーツクライミング3種目の施設完備で聖地に名乗り
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 東京五輪で初めて正式競技に採用されたスポーツクライミング。日本人選手のメダル獲得も有力視され、人気が急上昇している。このスポーツクライミングの聖地としてアピールしているのが愛媛県西条市。なぜ同市なのか。背景にあるのは西日本一の標高(1982メートル)を誇る霊峰・石鎚山の存在と、偶然の出来事だ。

3種目の複合競技

 スポーツクライミングは東京五輪では、男女とも「ボルダリング」「リード」「スピード」の3種目の複合で行われ、各競技順位を掛け合わせて総合順位を決める。同市氷見にある「石鎚クライミングパークSAIJO」は、この3種目を実施できる設備がすべてそろう貴重な施設。3種目を完備する施設は他に東京都と岩手県にあるだけだ。

 同市が平成29年の「えひめ国体」の会場に決まったことを機に、同市名誉市民でDIY用品の販売などを行う「DCMダイキ」創業者、大亀孝裕氏の寄付などもあって常設施設として整備。27年5月に国体競技のボルダリングとリードの競技場ができ、30年にはスピード競技場が完成した。

 同施設は、日本のトップ選手が集う大会会場となっているほか、東京五輪で強豪、オーストリアのホストタウンとなり、日本オリンピック委員会(JOC)の競技別強化センターの認定も受けた。

西条の「青石」きっかけ

 「クライミング競技で強いのはヨーロッパ。日本ではまだ有名ではありません。練習の場所がなかったからです」。こう話すのは、オーストリアのホストタウン誘致を担当した同市スポーツ健康課係長の櫛部一洋さん。櫛部さんによると、同市がスポーツクライミングに力を入れることになったきっかけは偶然だった。

 同市出身の女性がオーストリアを旅行していた際、現地にあった日本庭園で「青石」(緑泥片岩)の灯籠を目にした。それが同市を流れる加茂川水域で産出されたと知り、不思議な縁を感じて「もっと日本文化を広めたい」とオーストリアに移住。女性は現地の人たちやオーストリアの日本大使館とつながりができ、櫛部さんと面識があったことから、同市関係者がオーストリアを訪れた。

 こうしたことを背景に、同国のホストタウン事業へと展開していったのだ。

 「石鎚山のある西条市に山岳をイメージできる施設はふさわしい。もっとクライミングを普及させていきたい」と櫛部さん。