コロナ禍のスポーツ取材

記者座談会(下)無観客、プレッシャー弱い選手が躍進!?

【コロナ禍のスポーツ取材】記者座談会(下)無観客、プレッシャー弱い選手が躍進!?
【コロナ禍のスポーツ取材】記者座談会(下)無観客、プレッシャー弱い選手が躍進!?
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 新型コロナウイルスの世界的な感染拡大が直撃したスポーツ現場を取材した産経新聞の担当記者による年末座談会。後半は「無観客開催」が慣例化した大会でアスリートはどう戦っていたのかに焦点を当てた。1年延期の東京五輪はどのような形態で開催になるのか。今年の状況から来夏の見通しを占った。(進行・運動部 伊藤鉄平)

 --観客の声援がないスポーツ大会は異様だった

 中堅記者T(柔道、フィギュアスケートなど担当。押しが強く、人脈が広い)「12月13日に柔道の東京五輪代表で唯一、決まっていなかった男子66キロ級決定戦が東京・講道館で行われた。日本柔道史上初のワンマッチ方式で一発勝負の代表決定戦。感染対策で大会は無観客開催となった。互いのコーチ席からの声以外は静寂に包まれた。ある記者が『会場に入れる記者は歴史の証人になる自覚と責任が必要』と話していた。その通りだと思った」

 --無観客が選手におよぼす影響は?

 男性記者H(相撲、ボクシング、プロ野球など担当。絵に描いたような好青年)「観客の声援を力に変えられるタイプもいれば、重圧に感じてしまうタイプもいる。昔から『ブルペンエース』という言葉がありますが、稽古場ならめちゃくちゃ強くて、『稽古場だけなら優勝できる』という評判の力士がいて。でも、本番ではなかなか力を発揮できなかったんですよね。ところが、無観客開催の3月の春場所では大活躍。ただ、その後観客が入るようになってからは、成績が下がってきてしまった」

 --やはり観客の力は大きい?

 「大関貴景勝は観客の応援について『100パーセントしか出せないものを、120パーセントに引き上げてくれる』と言っていて、実際に観客を入れたときの方が成績が良かった。観客の影響は大きいですよね」

 中堅記者O(バスケットボール、ゴルフなど担当。スポーツ大好き)「そうそう。ゴルフでも、女子の渋野日向子はギャラリー(観客)の盛り上がりを力に変える典型的な選手。今季は不調に苦しんだが、無観客開催の影響もあったかもしれない。男子では興味深い結果になった大会があって、国内最高峰の日本オープンで、大会2日目を終えて上位5人のうち、3人がアマチュア選手だった。アマチュアは普段から観客がいない大会が多く、慣れているのかもしれない」

 --それは選手も自覚している?

 「実際、その後にプロに転向した日大の桂川有人が『アマの試合ではギャラリーはあまりいないので、同じ感じでできている』と話していたし、日本シリーズJTカップで2位タイになったベテランの谷原秀人が『お客さんがいる方がプレッシャーはかかるし、(経験の少ない)若手はやりやすいでしょうね。楽といえば楽だが、競技としては物足りない』と話していたことが印象的でした」