勇者の物語

巨人の呪縛?突如乱れた山口 虎番疾風録番外編141

第6戦の延長十回、サヨナラヒットを放ち、一塁ベースでジャンプして喜ぶ高田(左は国松コーチ)=後楽園球場
第6戦の延長十回、サヨナラヒットを放ち、一塁ベースでジャンプして喜ぶ高田(左は国松コーチ)=後楽園球場

■勇者の物語(140)

第6戦、いきなり阪急打線が爆発した。一回、両外国人のタイムリーで2点を先制。四回に2点を加えると、五回にはウイリアムスが加藤初から左翼へ3ラン。五回を終わって7-2。マウンドには先発の山口。誰もが「勝利」を確信していた。

◇第6戦 11月1日 後楽園球場

阪急 200 230 000 0=7

巨人 000 023 020 1x=8

【勝】小林2勝1敗1S 【敗】山田1勝2敗

【本】ウイリアムス①(加藤初)淡口①(山口)柴田②(山田)

ところが六回、突如、山口が乱れた。いきなり高田、吉田孝に連続四球を与え、1死後、淡口に2-0と追い込みながら右翼へ3ラン。あっという間に2点差。ネット裏で観戦していた南海の野村克也監督は「なんでや」を連発した。

①なんで山口は速球を投げん? 5点差を追いかける巨人は走者をためたい。だからベンチから打者へのサインは「待て」や。バッテリーはどんどん速球でストライクを取り、追い込めばいい。なのにカーブ、カーブ。しかも、すべて高めに浮いたボールで四球。わからん。

②なんで中沢は工夫をせん? 山口の制球の悪さにもあきれたが、捕手中沢にも工夫がない。マウンドに駆け寄って声をかけるとか、ミットを土にくっつけるぐらい低く構えるとかできたはず。

③なんで淡口にフォークボール? 山口の武器はストレートや。なのに淡口に2-0と追い込んで、ストライクになるフォークボールを投げて打たれた。理解に苦しむ。

④なんで山口の先発? そもそも山口を先発で使うなら3連勝した後の第4戦やろ。負けても3勝1敗やし、山田と足立を休ませられる。けど、この第6戦では負けると情勢は一変してしまう。それに抑えもおらん。

ノムさんの指摘通り、七回からリリーフに送った山田では、もう巨人の反撃は抑え切れなかった。八回に柴田に右翼へ同点2ラン。延長十回には張本の左翼線二塁打、王に敬遠の四球。小林にはバントの構えから中前打されて無死満塁。最後は高田に右前へサヨナラヒット。

これが巨人の呪縛? まさかの3連敗。こうして〝決戦の日〟を迎えたのである。(敬称略)

■勇者の物語(142)

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