コロナ禍のスポーツ取材

記者座談会(上)慣れないリモート会見「就活思い出す」

【コロナ禍のスポーツ取材】記者座談会(上)慣れないリモート会見「就活思い出す」
【コロナ禍のスポーツ取材】記者座談会(上)慣れないリモート会見「就活思い出す」
その他の写真を見る (1/2枚)

 新型コロナウイルスの世界的な感染拡大はスポーツ界も直撃した。東京五輪は1年延期。ほとんどの競技で国際大会の中止、延期が相次いだ。現場の記者にとっては、これまでの日常だった選手へのインタビューや会見、現場での取材の多くがオンライン形式へと様変わりした。アスリートの声をどう届けていけばいいのか。産経新聞のスポーツ担当記者による「年末座談会」。前半編では、未曾有の1年を振り返りつつ、「新しい日常」での取材手法を探った。(進行・運動部 伊藤鉄平)

 --スポーツ取材の現場はコロナ禍の1年でどう変わった?

 中堅記者O(バスケットボール、ゴルフなど担当。スポーツ大好き)「取材機会そのものが減りましたね。とくに選手と直接、向き合って話す機会が激減した。これまでは記者会見や(記者がアスリートを取り囲んで話を聞く)囲み取材で、大会当日にも一定の取材時間を確保できたのに、テレビとペン(活字メディア)で合わせて5分ということも珍しくなくなった」

 --接触時間を減らす試みかな? 質問時間も含めると、マスコミ全社で5分は短いように思えるが

 「会見でも広報担当者が神経をとがらせていて、5分で取材を止める。自分の感覚では、以前はひと通りは質問出るまでは聞けていたが、いまは難しくなりましたね」

 --感染を防ぐためにはやむを得ないかもしれないが、時間を制限されるのは記者としてはつらいね。狙いを持った取材がしにくくなりそうだ。オンライン取材はどうかな?

 女性記者M(フィギュアスケート、バドミントンなど担当。運動部で一番若手)「スポーツに限らないかもしれないですが日常の取材自体、リモートが増えました。例えば、フィギュアスケートの大会も対面ではなく、会見も演技後の取材もほぼオンライン。何回か囲み取材もあったけれども、かなり距離を取るようにしていて、選手の声が聞こえないことも…」

 --大相撲は力士に持病が多いため、かなり神経質になっていると聞くけれども

 男性記者H(相撲、ボクシング、プロ野球など担当。絵に描いたような好青年)「相撲の場合、これまでは場所中に大きく2つの取材機会があったんですね。1つは朝稽古。力士は早朝から各相撲部屋で稽古を行っていて、記者も見学できて、稽古終わりには直接、力士に話も聞けた。もう1つは、本場所で相撲を取り終えた力士が風呂から出て、支度部屋で腰かけて髪を結い直す間。ここで直前の一番について話が聞けたんです」

 --それが大きく変わった?

 「5月場所が中止になり、7月場所からは朝稽古を含めた相撲部屋での取材は一切禁止。支度部屋に入るのもできなくなり、取組を終えた力士はすべてオンラインになった。ただ、負けて気分が乗らない力士は拒否して顔を見せない」