【年の瀬記者ノート・静岡】(4)完 リニア問題 国仲介で議論進展も着地点いまだ見えず(2/2ページ) - 産経ニュース

メインコンテンツ

年の瀬記者ノート・静岡

(4)完 リニア問題 国仲介で議論進展も着地点いまだ見えず

 県と利水者団体の願いは、62万人の水源である「大井川の水を守る」の一点に尽きる。しかしながら、地元側は「一滴の水も漏らしてはならない」「工事中のわずかな期間でも、県外に水が流出するのは許されない」とし、無理筋の主張を繰り返しているようにも感じられる。

 豊かな南アルプスの自然を貫く長大なトンネルを掘削する以上、難波副知事も言うように「ゼロリスクはあり得ない」わけで、この点では県も利水者団体もJR東海も見解の一致をみている。

 その点を踏まえれば、今後、県や利水者団体は「水への影響をどこまでならば許容できるのか」、JR東海は「どのような対策を講じればどこまで環境への影響を低減できるのか」といった残された課題に、互いに異なる方向からアプローチして着地点を探るしかない。そのためには国や県の会議で専門家が指摘するように、いま一度、科学的・工学的な根拠を元に環境への影響を評価する必要があるのではないか。

 互いに自分たちの主張を一歩も譲らないという態度では、これまでと同じように議論は進まず、ただ時間だけが過ぎていくことになる。(田中万紀)

=おわり