明美ちゃん基金

「助けられる子供」救うために 医療団の医師が語る子供たちへの思い

【明美ちゃん基金】「助けられる子供」救うために 医療団の医師が語る子供たちへの思い
【明美ちゃん基金】「助けられる子供」救うために 医療団の医師が語る子供たちへの思い
その他の写真を見る (1/2枚)

 国内外の心臓病の子供らを救う「明美ちゃん基金」(産経新聞厚生文化事業団運営)のミャンマー医療支援は今年で開始から5年。多くの子供の命を救ってきたことを評価され、今年2月には同国政府から感謝状が授与された。そんな基金の医療団の一員として活動してきた医師に、治療を待つ子供たちへの思いを語ってもらった。

「足りない」補う力を 和歌山県立医大病院麻酔科 藤井啓介医師

 「もっと、ほかに助けられる子がいるんじゃないか」。これまでに3回、明美ちゃん基金のミャンマー医療団に参加してきた和歌山県立医大病院麻酔科の藤井啓介医師(46)は、常にこんな思いを抱きながら患者と向き合っている。

 参加のきっかけは平成29年秋、以前から基金に関わってきた同病院心臓血管外科の長嶋光樹医師(59)から「こんな活動があるよ」と声をかけられたことだった。「現地の子供や医師の力になれるなら」と考え、30年2月、初めて医療団の一員としてミャンマーへ渡った。

 活動拠点となっているヤンゴンの国立ヤンキン子供病院では戸惑うことも多かった。麻酔科医は手術中、患者の血圧や脈拍など全身状態を管理するため、血中酸素飽和度を測る「パルスオキシメーター」を使用する。しかし、ミャンマーではパルスオキシメーターが途中で壊れ、数字が表示されなくなることがしばしばあった。手術中に突然停電し、スマートフォンの光で照らすことも。一つ一つの問題に懸命に対処した。

 結果、活動を通じて自らも学ぶことができた。「何かが足りない時、どうすれば切り抜けられるのか、といった応用力がついた」