明美ちゃん基金

家族そろって新年に「感謝」 心臓移植受けた悠里ちゃん

【明美ちゃん基金】家族そろって新年に「感謝」 心臓移植受けた悠里ちゃん
【明美ちゃん基金】家族そろって新年に「感謝」 心臓移植受けた悠里ちゃん
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 国内外の心臓病の子供らを救う「明美ちゃん基金」(産経新聞厚生文化事業団運営)は今年、新型コロナウイルスの影響を受けながらも、国内で心臓移植を受けた患者の支援と、ミャンマーへの医療支援の2本柱で活動を続けてきた。昭和41年に生まれた基金は来年で設立55年。心臓移植によって「未来へのパスポート」を受け取り、基金が適用された子供の今を追った。

2つの選択肢

 小さな足でしっかりと、大地を踏みしめる。毎日楽しみにしている散歩。最近は、公園の遊具で遊んでみるなど積極性も出てきた。北陸地方に住む男性(38)は長女、悠里(ゆり)ちゃん(3)の、そんな姿に目を細める。

 生まれてしばらくは、病気とは分からなかった。しかし3カ月健診で、皮膚や粘膜が青紫色になるチアノーゼが見つかり受診。重い心臓病「拡張型心筋症」と判明し、そのまま集中治療室(ICU)に入った。

 病床では内服治療が続いた。小さい体で「嫌がりながらも頑張ってくれた」悠里ちゃん。いったん退院したが、自宅で過ごせた時間は長くはなかった。

 再度容体が悪化し入院生活へ。つらい闘病生活で、おしゃべりが達者だった悠里ちゃんは言葉に詰まるようになり、食欲も落ちた。

 回復の兆しが見えない中、妻は医師から2つの選択肢を提示されたという。

 一つは、自宅に戻って残された時間を穏やかに過ごすこと。もう一つは、補助人工心臓を付けて心臓移植を目指すこと-。

 「これからも悠里と過ごしていく」。移植を目指すことに迷いはなかった。