【経済インサイド】富士通 コンサル型ビジネスでインフルエンサーに DX企業への転換に挑む (2/3ページ) - 産経ニュース

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経済インサイド

富士通 コンサル型ビジネスでインフルエンサーに DX企業への転換に挑む 

同時に顧客の要望に応えるだけでなく、課題解決策を提案するコンサルティング型のビジネスモデルを社内に根付かせる取り組みも始めた。その1つが米国のIT企業やコンサルが取り入れている「デザイン思考」だ。顧客のニーズに対して、仮説を立ててアイデアを積み上げ、戦略やサービスを立案する取り組みでDXを推進する企業で導入が相次ぐ。サービスやシステムの課題を素早く改善しながら最適化を図る「アジャイル」も浸透させ、富士通の提案力を強めようとしている。

新会社が先兵に

その先兵となる役割を担う新会社が東京・丸の内にある。DX子会社リッジラインズだ。

オフィスには撮影スタジオが併設され、カラフルな机や椅子が並ぶ。私服姿の社員は自分の好きな席を選んで仕事ができる。仕切りのホワイトボードの前に複数の社員が集まり、楽しそうに会話しながら、自分のアイデアを自由に書き込む姿が日常となっている。

リッジラインズは、富士通と異なる文化のもとで柔軟性や機動性がある活動を行うために設立された。戦略やビジネスモデル、業務プロセスの策定などを提案、コンサルから最新テクノロジーの実装までワンストップで提供する。今井俊哉社長が目指すのは「変革創出企業」だ。

社員は約300人で、富士通総研や富士通出身者が約8割を占める。デザイナーや建築士、システムエンジニア(SE)、データサイエンティストなど高度な専門知識を持つ社員が企業のDX推進を支援する。稼働から半年が経過したが、今井社長は「DX関連のプロジェクトは10件強が動いている」と明かす。3年後には社員を約600人に倍増する計画だ。

変革と安定の両立必要に

設立により、既にプラスの効果も出ている。富士通はプロジェクト提案で職種を横断する体制を作るのに、以前は異なる会社や部門に散らばっていた専門性あるメンバーの割り当てに時間がかかっていたという。だが、一級建築士の資格を持つクリエイティブディレクターの田中培仁さんは「1つの会社に集約されたことで提案スピードと質は確実に上がった」と話す。