コロナ禍「街の書店」に回帰 コミック人気、在宅増…4年ぶり市場拡大へ

 ただ書店の立地によって明暗は分かれている。日販によると、地方や郊外の路面店が好調な一方、駅ナカの店舗も含む「駅前書店」は苦戦が目立つ。出版科学研究所の久保雅暖研究員は「在宅勤務の増加と旅行需要の減少で、東京駅などでは人の流れが大きく変わった。人出が減ったオフィス街やターミナル駅周辺の書店は厳しい」と指摘する。

 紙の本や雑誌離れ、ネット書店の台頭もあり、国内の書店数は20年前の半分ほどにまで減少した。電子書籍市場も拡大が続き、頼みの「鬼滅の刃」も12月発売の23巻ですでに完結した。

 帝国データバンク情報統括課の飯島大介さんは「今年の好調は『鬼滅の刃』の人気と、巣ごもり生活での購買行動がうまく重なった結果。来年以降、大きなヒット作が出なければまた厳しい状況になりかねない」と分析する。(海老沢類)