自己PR投稿、コロナ禍で広がる動画採用 企業やスポーツチームで

 新型コロナウイルスの感染再拡大のリスクが広がる中、企業やスポーツチームの採用活動で応募者が投稿する自己PR動画を採用の判断材料とする動きが広がっている。面接の予約や会場が不要で採用機会も増えるため、応募側と採用側共に得られるメリットは大きく、一部企業ではコロナ収束後の継続も決めている。だが、動画のみで人材を見極めるには課題もあり、定着するかは見通せない。

 「オンライン面接のように通信環境のトラブルの心配もなく、応募者にとっては他の企業の面接予定とかち合うこともない」。損害保険大手あいおいニッセイ同和損害保険の徳永崇之採用グループ長は動画採用のメリットをこう強調する。

 同社は今年の採用活動で1次選考を学生から投稿された動画を元に実施。学生は自己PRや指定された質問に答える動画をスマートフォンなどで撮影し、専用サイトに投稿すれば完了する。「動画でも学生の表情や人柄はつかめた。何より納期までに提出物をしっかりと仕上げる能力もみられた」と徳永氏。昨年よりも1次選考の参加者が増えるなど手応えも感じている。

 携帯電話大手のソフトバンクはさらに一歩進み、動画を合否判定するための人工知能(AI)を導入した。約2分間の動画で応募者の話し方や文章構成力をAIが分析。「人事担当者の負担が約7割軽減され、統一された評価軸でより公平な選考ができた」(担当者)と自信を見せる。

 新型コロナの感染拡大で各スポーツの大会が中止・延期された今年は、選手のスカウト活動でも動画を活用する例が見られた。

 Jリーグの湘南ベルマーレは4月から小学5、6年生を対象にプレー動画を投稿してもらい、スタッフがチェックして湘南の下部組織の選手のスカウトに生かす活動を新たにスタート。当初は神奈川県内の選手のみを募集していたが、県外からも問い合わせが来るなど反響もあり、対象を全国に広げた。