5連覇逃した宇野、昨年と同じ3位の鍵山、羽生の底力に刺激

男子フリーで演技する宇野昌磨=長野ビッグハット(代表撮影)
男子フリーで演技する宇野昌磨=長野ビッグハット(代表撮影)

 26日、フィギュアスケート全日本選手権男子で5連覇を逃した宇野、シニア本格参戦1年目で昨年と同じ3位に入った鍵山は、5年ぶりに全日本王者に返り咲いた羽生とともに2年続けて同じ顔触れで表彰台に立った。一方で五輪2連覇の絶対王者の底力をまざまざと見せつけられた大会にもなった。

 圧巻だった羽生の演技はSPで2本、フリーで4本組み込んだ4回転ジャンプが抜群の安定感だったことが勝因だった。羽生は和を基調とした新フリー「天と地と」を演じた後、「(演目には)色んな意味を込めているけれど、ジャンプを完成させないと伝わらなないこともある」とミスなく演じる重要性を強調した。

 王者のフリーをリンクサイドで見た宇野は「ゆづくん(羽生)は僕にとっての最終目標。1年くらい試合がない中で頑張ってきたけど、ゆづくんの演技を生で見たとき、こんなにも差があったのかと思った」と完敗の様子だった。

 宇野もフリーは前半のジャンプ失敗をリカバリーし、4本の4回転を着氷。SP3位から順位を一つ上げて意地を見せた。17歳の鍵山もSPでは宇野を上回る2位と大健闘。ただ2人には届かず、「羽生選手、宇野選手は遠いなと実感した。攻める演技はできたけど、もっと練習が必要」と受け止め、「いい刺激をもらった」とさらなる成長を誓った。

 五輪2連覇の羽生は宇野を「本当に心が強いファイター」と評し、国内大会で経験を積んだ鍵山の躍進を「どんどん技術的にうまくなっている」と認める。コロナ禍で大会中止が相次いでも、刺激をくれる存在がお互いを高め合っていた。

(田中充)