「ジャパネット杯春の高校バレー」として行われる第73回全日本バレーボール高等学校選手権大会が来年1月5日、東京体育館(東京都渋谷区)で開幕する。栃木県大会を勝ち抜いた男女各校は同日の1回戦から登場し、男子・足利大付(2年連続40度目出場)は聖隷(せいれい)クリストファー(静岡)、女子・国学院栃木(34年連続35度目出場)は和歌山信愛(和歌山)と対戦する。両校とも前回大会では初戦敗退に終わっており、雪辱を晴らそうと意気込んでいる。(根本和哉)
■男子・足利大付 連携、円熟の域に
安定した実力を発揮して県大会を連覇した足利大付。主力メンバーのほとんどが前年度からレギュラーを務めていたため大舞台の経験も豊富で、チームの連携は円熟の域に達している。新井房巳(ふさみ)監督は「今回は能力の高い選手がそろっていて期待できる。一戦一戦、やってきたことを出すことができれば」と、上位進出へ期待を込めている。
チームの最大の強みはその高い攻撃力だ。特に柳沢賢、益島玲矢、寺内剛仁の3人は全国でも上位クラスとなる330センチ以上の最高到達点を持ち、高い打点から放たれる強力なスパイクは春高の舞台でも大きな得点源として期待される。益島は「相手のブロックに当て、アウトにする練習もしている」と話す。技術を磨くことで、自分たちより高い相手に対しても通用すると自信をのぞかせる。
破壊力のみならず、全員があらゆる役割をこなせる変幻自在の攻撃も持ち味とする。新井監督は「他ポジションもやることで気付くことが増える」と考え、全員でポジションをローテーションしながら行う試合形式の練習を新たに導入。選手らは普段と異なる役割に苦戦しながらも、他者の立場に立ったことであらゆる動きに対応できるようになった。柳沢は「色々な場所から打てるようになったのが大きい」とその効果を説明する。守備が崩されて本来の形でレシーブやトスが上がらなかったとしても、問題なく攻撃力を発揮できそうだ。
初戦の相手について、新井監督は「強力なエースが1人いる。彼を勢いに乗せないことが重要」と話す。新井監督が高いレシーブ力を評価する主将の五月女(そうとめ)涼介を中心に、まずは相手エースのスパイクを拾い、うまく攻撃につなげることができるかが勝負のポイントとなる。
ここ10年での最高順位は、平成30年のベスト16。1試合でも多く戦うことを目標に、大舞台へ挑む。
五月女涼介主将「守備から流れを作り、攻める気持ちで戦いたい」