朝晴れエッセー

タイムスリップ・12月26日

先月、BSプレミアムで日活映画「愛と死をみつめて」が放映されるのを知り、もう一度見たい!と録画をして出かけた。

50年以上も前、大ヒットした青春映画だ。当時、銀行入行してまもない頃、先輩の女子行員から「映画を皆で見に行きましょう」と。

あの頃は土曜日は半ドンで「さぁ~皆、間違いなく一算(1回で現金残高が合うこと)で合わせましょうネ」と気合が入った。皆、浮き浮きしながらも気を引き締め仕事に専念。どの係の女子も皆、一算で合わせた。

さぁ出発、と封切館へ急いだ。前列中央を私たちで占め、軽食をそっと頬張り上映にくぎ付けになった。不治の病の「ミコ」を吉永小百合さんが健気(けなげ)に演じていた。そのミコを大学生の浜田光夫さん演じる「マコ」が寄り添い明るく最後まで励ます。

上映後、外へ出た私たちは皆、目を真っ赤に泣きはらしていた。50年も前、銀行仲間と繁華街へ出ていっぱい語り合い、外食した日の思い出が鮮明によみがえってくる。録画した映画を見終え、何も知らずただ涙した青春の日にタイムスリップした。

昨今、テレビでは連日コロナ禍のなか、外食は少人数、最小限に控え、マスクでと。今、大病をして無事3年を越え76歳を迎え、今日もまた元気で生き貫ける幸福を改めて実感する。

そして、同期の友から「今度はわが家でお好み焼きパーティーをしましょうね」とお誘いのステキな絵手紙が届いていた。

佐藤靖子 76 堺市中区