迫る入試、「緊急事態」も視野 3密徹底回避へ大学準備

文部科学省
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 来年1月に初めて実施される大学入学共通テストまで3週間となった。2月には多くの大学で個別試験(2次試験)も始まるが、新型コロナウイルスの収束が見通せない中、緊急事態宣言の発令も視野に入れた準備が進んでいる。文部科学省は予備校や公共交通機関など業界横断的に感染対策への協力を要請しており、受験環境はこれまでと一変しそうだ。

勧誘自粛を要請

 「政府全体で受験生をサポートしていく」

 萩生田光一文科相は今月18日の記者会見でこう強調した。文科省は専門家の助言を受け、共通テスト会場では、大声で話すこともなく、受験生同士の間隔も確保できることなどから、感染リスクは少ないと判断。「大学受験は人生にとって重要」(萩生田氏)として、緊急事態宣言が再び発令された場合でも、日程通りに行う考えだ。

 そこで必要となるのは、会場やその周辺での「3密」の徹底した回避だ。会場近辺では例年、激励に駆け付けた予備校関係者や、学生マンション紹介のチラシを配る不動産業者が目立つほか、付き添いの保護者や高校関係者の姿もある。

 こうした状況を解消するため、文科省は予備校や不動産業界に活動の自粛を要請。移動や宿泊時の感染も懸念し、鉄道やバス、ホテルにも混雑緩和や換気などの対策徹底を求めた。

濃厚接触者対策

 今回の共通テストの出願者は約53万人。会場となる大学には、受験生同士を約1メートル離すことや、1科目終了ごとの換気、急な体調不良に対処する医師や看護師の配置などを求めている。

 感染者の濃厚接触者でも、公的なPCR検査や抗原検査で陰性が確認され、当日も無症状などの条件を満たせば受験が可能だ。

 大学側も濃厚接触者とされた受験生に手厚い対応を準備する。

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