アイ・ラブ・NY

サンタへのお願い…大人たちにショック

 クリスマスは、米国でさまざまなボランティア活動が活発になり、人のぬくもりや温かさを感じられる季節だ。

 長年、人気なのは米郵政公社が1912年に始めたサンタへの手紙プロジェクト。子供たちが手紙を投函(とうかん)すると郵便局で公開され、手紙をみたボランティアの人々が、サンタに成り代わって希望のプレゼントを贈る仕組みとなっている。

 今年は新型コロナウイルス感染拡大の影響で手紙がインターネットで公開されることになり、子供の願いが厳しい世相を表していると話題になった。

 米メディアによると、昨年は約1万2千通だった手紙が、今年は約2万3800通に急増。おもちゃやゲームがほしいといった手紙だけでなく、「世界を救うため治療薬を見つけて」といったコロナ関連のものや、「両親が抱える請求書の支払いのためのお金をください」といった願いも。「街のホームレスにあげるギフトカードがほしい」とねだる男の子もいた。

 金融危機「リーマン・ショック」が起きた2008年ごろにも切実な思いをつづる手紙が増えたというが、学校に満足に行けず、友達と自由に遊べない生活を強いられる米国の子供たちこそコロナ時代の被害者だ。クリスマスの本音は大人たちにショックを与えている。(上塚真由)

会員限定記事会員サービス詳細