「一生償う」の重み考える 「交通刑務所」市原刑務所で罪に向き合う受刑者

「一生償う」の重み考える 「交通刑務所」市原刑務所で罪に向き合う受刑者
「一生償う」の重み考える 「交通刑務所」市原刑務所で罪に向き合う受刑者
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 「償いは簡単に答えが出ないし、簡単に答えを出してはいけない。遺族だけでなく、被害者本人の思いも理解した上で、自分が何をできるのか考えてほしい」

 被害者遺族の切実な声が室内に響く。3人の受刑者は真剣なまなざしで聞き入った。

 12月初旬、千葉県市原市にある市原刑務所。交通事犯のみが収容されている同刑務所では、被害者遺族を講師として招き、受刑者とディスカッションをするという全国でも珍しい講義が取り入れられている。

 この日のディスカッションでは、はじめに受刑者が、自身が起こした事故の詳細や、現在の心境などを説明。講師である被害者遺族の言葉は時折厳しくなった。「気の緩みと簡単に言うが、命がなくなることは重いこと」「出所したら自分も周りも償ったと思うかもしれないが、遺族の苦しみがなくなるわけではない」…。受刑者たちは神妙にその言葉を受け止めるしかなかった。

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 「被害者の視点を取り入れた教育」は、後を絶たない痛ましい交通事故を繰り返さないため。約3カ月の改善指導は12回の講義で構成されており、その一環が、平成17年から行われているこのディスカッションだ。

 講義を担当する山川哲史教育専門官は「命を奪ってしまったことに向き合えず、自己弁護してしまう受刑者もいる」と話す。故意ではない事故だとしても「生きる権利」を踏みにじってしまったことに変わりはない。山川専門官は「被害者遺族の話を聞くことで『一生償う』とはどういうことなのか考えてほしい。それを理解できることが再犯の防止につながる」と語った。