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エンターテインメント界の令和2年は、他のさまざまな経済活動と同様に新型コロナウイルス感染拡大の影響を大きく受けた。コンサートや舞台、映画などが興行を一時取りやめ、巣ごもり需要でテレビ番組、配信コンテンツが改めて見直されることに。ドラマで「半沢」、映画で「鬼滅(きめつ)」の大ヒットはあったものの、作品の作り方などは変化を余儀なくされ、エンタメ界全体の在り方を見直す一年となった。(兼松康)
大河・朝ドラ休止、「半沢」が大ヒット
民放テレビ各局が番組改編時期を迎えた今年4月、ドラマなどの新番組は、一部を除いて過去のドラマの再放送などに差し替えられた。かろうじてスタートしたドラマもコロナ禍で撮影が間に合わず、途中で再放送ドラマに差し替わったものも。
NHKの2大ドラマ、大河ドラマと朝の連続テレビ小説も例外ではない。「麒麟(きりん)がくる」は、制作分のストックがなくなった6月から2カ月あまり放送を休止。大河史上初めて予定外の越年放送となる。朝ドラの「エール」も同様に、6月から約2カ月半休止し、11月下旬まで放送された。
一方、最終回で令和ドラマ最高視聴率となる32・7%(世帯視聴率、ビデオリサーチ調べ、関東地区)をたたき出すなど、大きな話題をさらったのが「半沢直樹」(TBS系)。「令和の時代劇」とも呼ばれた勧善懲悪のストーリーが、コロナで沈んだ空気を吹き飛ばす勢いだった。香川照之、市川猿之助、片岡愛之助、尾上松也ら歌舞伎役者をはじめ、お笑い芸人、劇作家、声優ら異分野からクセの強い役者を起用したことでも話題を呼んだ。
一度でもリアルタイムで見た人は推定6000万人を超え、インターネットによる配信作品が勢いを増す中で、テレビ回帰の動きとも受け止められた。