「青森ねぶた祭」開催に向け模索続ける関係者 今夏中止で市民に喪失感 

「青森ねぶた祭」開催に向け模索続ける関係者 今夏中止で市民に喪失感 
「青森ねぶた祭」開催に向け模索続ける関係者 今夏中止で市民に喪失感 
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 新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、全国の夏祭りが相次いで取りやめとなる中、とりわけ毎年300万人近い観光客が訪れる国内有数の夏祭り「青森ねぶた祭」(8月2~7日)の中止は、国内外に大きな衝撃を与えた。初めて「祭りばやしが聞こえない夏」を経験した青森市民は寂寥(せきりょう)感と長い冬を乗り越える元気の源を喪失。収束が見通せない中、関係者は対策を模索しながら来年の開催を目指している。

 「強行した場合、新たな感染源になり得る可能性が大。どう考えても祭りを開催する根拠が見つけられない。じくじたる思い」

 4月8日、今年の祭りの中止を決めた実行委員会後の記者会見で、委員長で青森観光コンベンション協会の奈良秀則会長(62)は苦渋に満ちた表情を浮かべた。中止は昭和33(1958)年に「青森港まつり」から現在のねぶた祭になって以来、初めてのことだけに、会場を埋めた祭り関係者の表情も一様に硬かった。小野寺晃彦市長も「市長として、祭りの名誉大会長としても本当に悔しい」と無念さをにじませた。

 本番4カ月前での「決断」には訳があった。「ねぶたの制作を考えると、ぎりぎりのタイミング」(奈良委員長)だった。経済的な損失も考慮した。平成19年に日本銀行青森支店が試算したねぶた祭の経済波及効果は238億円。早急に結論を出し、地域経済への影響を最小限に食い止めなければならなかった。