ヒトのインフルエンザがなりをひそめているが、一方で鳥インフルエンザが全国で多発している。11月初めに香川県で発生して以降、今月、殺処分数が330万羽を超えて過去最高になったそうだ。養鶏場での発生は数年ぶりだと思うが、気の緩みはなかったか
▼国内で大きな注目を集めたのが平成16年、京都府北部での発生だった。当時、京都総局に勤務していて連日、記者総出の態勢だったことを思い出す。国や自治体の対応も不慣れで、大量の鳥の殺処分は進まず、自衛隊の派遣を受けてようやく効率が上がったのだった。あの経験を経て、今では発生しても処分、鳥や卵の移動自粛要請といった対処がスムーズに行われているのだと思う ▼さて新型コロナウイルスはどうだろう。春からわれわれは経験を重ねてきたはずだ。冬になればまた拡大することも、看護師はすぐには育たないことも分かっている。何より、政府の早めの決断と対応が肝心だということも。