カルテ漏洩で損賠提訴へ 70代女性 堺市医療センターと医師

カルテ情報が記されたラインの画面(原告の長女提供)※一部画像処理しています※
カルテ情報が記されたラインの画面(原告の長女提供)※一部画像処理しています※

 堺市立総合医療センター(同市西区)の女性小児科医が、職務上必要がないにも関わらず皮膚科患者のカルテ情報を閲覧し、院外に漏洩(ろうえい)したために精神的苦痛を受けたとして、患者だった大阪府内の70代女性が、センターの運営法人と医師を相手取り、計330万円の損害賠償を求める訴えを大阪地裁に起こすことが24日、分かった。25日にも提訴する。

 訴状によると、女性は顔面が腫れるといった症状が現れる「丹毒」を患い、平成29年12月25日に同センターの皮膚科へ通い始めた。小児科医は、自らの職務と関係がないにも関わらず、女性の電子カルテを不正に閲覧。同月28日、女性の病状や血液検査の結果を記した文面を、女性の長女にラインで一方的に送りつけ、カルテ情報を院外に漏らしたという。女性は長女が心配すると考え、病気の事実を伝えていなかった。

 長女と小児科医の関係はいわゆる「ママ友」同士だったが、漏洩当時は疎遠になっていた。

 訴状で原告側は、小児科医の行為は、守秘義務の徹底や個人情報の保護をうたった病院の倫理指針に反すると指摘。小児科医を雇用する病院側にも使用者責任があるとした。

 原告側の代理人を務める足立敦史弁護士(大阪弁護士会)は「カルテの内容は通常、同意がなければ家族でも告知が禁じられる。医師の一般倫理からかけ離れており、明らかなプライバシー権の侵害だ」と話している。一方で、同センターは産経新聞の取材に、「適切に対処しているが、患者とのやり取りの詳細は公表できない」としている。

不正防止は職員のモラル頼みか

 「究極の個人情報」と称されるカルテには、病歴や家族の既往症、時には患者の犯罪歴まで記されている。電子化により、治療に必要な情報に医師らが速やかにアクセスできるようにはなったが、医療機関によっては情報管理が緩く、職員のモラル頼みという現状もある。

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