大番狂わせの空手全日本 「メンホーで距離感つかめず」東京五輪代表が次々敗退

大番狂わせの空手全日本 「メンホーで距離感つかめず」東京五輪代表が次々敗退
大番狂わせの空手全日本 「メンホーで距離感つかめず」東京五輪代表が次々敗退
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 まさかの大番狂わせに会場は騒然となった-。13日に開催された空手の全日本選手権で、8連覇を狙った五輪代表の清水希容(きよう)(ミキハウス)が決勝で敗退。体重無差別で行われた個人女子組手では、五輪代表の植草歩(あゆみ)(JAL)が3回戦、宮原美穂(帝京大職)が初戦で姿を消した。新型コロナウイルスの感染拡大の影響で久々の実戦となったことや、組手時の感染防止策として頭部を覆う防具「メンホー」が使用されたことなどが要因とみられる。

 得点が出た瞬間、会場に悲鳴のような声が響いた。形女子の決勝で清水希は、自らが最も得意とする「チャタンヤラクーサンクー」を演武したが、得点が伸びずに敗退。全日本選手権の連覇が7でストップした。

 ミスがあったわけではない。だが相手よりも迫力に欠ける部分はあった。「無難にやってしまった。ただただ悔しい」。試合直後、淡々と語ったが、まだ現実を受け止めきれていないようにも見えた。

 今年1月のプレミアリーグ(PL)パリ大会で、約2年ぶりに国際大会での決勝進出を逃した。その後の試合はコロナ禍で中止。約11カ月ぶりの試合で「自分の気持ちの弱さ。『また同じように負けるのではないか』という気持ちがあった」と敗因を分析した。

 試合のない期間は、突きや蹴り、立ち方などの基礎を見直し、技や体の動きに強さが増した。「稽古でやってきたことは、間違っていないと思っている」と確信を持ちながらも、完全に不安を払拭できなかった。東京五輪に向けて「この結果を深く受け止め、自分の強い部分をしっかり出したい」と前を向いた。

 組手では今大会、コロナ対策として、高校生以下の大会で使用される「メンホー」を着用。さらに口元の空いた部分を透明なシールドで覆い、飛沫(ひまつ)を防げるようにした。今大会は、メンホーを普段から使用している高校生の躍進が目立った。

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