今年1年の嫌なことを笑いとばす恒例の「注連縄掛(しめかけ)神事(お笑い神事)」が23日、東大阪市出雲井町にある河内国一之宮の枚岡(ひらおか)神社で営まれた。全国でも珍しい神事で、例年は氏子ら参拝者約3千人が約20分間笑い続けるが、今年は新型コロナウイルスの飛沫感染防止に配慮。マスク姿の約300人が3回だけ笑い、新年の幸運を願った。
張り替えた注連縄(しめなわ)の前で笑うこの神事は市の無形民俗文化財。洞窟にこもった天照大神(あまてらすおおみかみ)を、神々が大笑いで誘い出した神話にちなむ。12年前から一般参拝客も参加できる形になった。
今年は感染リスク低減のため、参拝客を限定する一方、インターネットで生中継。「笑」と書かれた特製マスクを着用した神事の参加者は、一定間隔で離れて整列し、中東(なかひがし)弘宮司(79)が笑う「アーハッハッ」の声に続いて笑い声を響かせた。
神事終了後、中東宮司は「来年は再び大群衆で笑いたい」とあいさつし、新型コロナの収束を願った。
コロナ禍で仕事に悪影響があったという初参加の衣料品店経営、荻野なつみさん(39)=大阪市中央区=は「20分間笑い続けてみたかった」と話した。