大阪特派員

山上直子 今こそ笑って新年を

 これはタイヘン。コロナ対策をすればするほど、われわれの生活から笑いが消えていくことにならないか。このところ社会に生じるさまざまな不協和音の一因に「笑いの減少」があるのかもしれない。

 では、そもそも笑いとは何か。話はなんと、古代ギリシャにさかのぼった。

 「アリストテレスはえらかったですね。人間だけが笑う動物であるといい、『笑いは人生に必須のものである』とか『友情あるところに笑いあり』と書いています」

 ところが暗黒の時代、中世はキリスト教会の支配下で、とりわけ修道院では笑うことが禁じられた。笑うと、断食やむち打ちの罰則が科せられたというから恐ろしい。ようやく人々が人間らしい笑いを取り戻したのはルネサンス運動によってである。

 「うらやましいのは欧米の本屋には必ず『ユーモア』という専門コーナーがあること。たいていはジョーク集が並んでいて、社会的需要があるんですね」

 社会でジョークやユーモアの評価が高いだけでなく、日本に比べてジョークを言わなければならない機会が圧倒的に多いらしいのだ。場をなごませ盛り上げるために、気の利いた笑い話を言わなければならない。ヘタをすれば逆効果だから、本を読んで勉強する…というわけである。

 「だから欧米の政治家はいやでもセンスを磨かざるをえなかった。日本ではその必要がなかったし、不思議なことに中国やインドでも同様ではないかと思います。ユーモアに関しては西洋と東洋に大きな違いがある。理由はよくわかりません」

 大きなテーマだが今回はここまで。笑う門には福来る。コロナ下だからこそ、笑顔で新年をお迎えください。(やまがみ なおこ)

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