ゲーム条例訴訟、争う姿勢 香川県、高校生が違憲主張

 ゲーム条例を巡る経過
 ゲーム条例を巡る経過

 子供のゲーム利用時間を制限する香川県のインターネット・ゲーム依存症対策条例は憲法13条が保障する幸福追求権などを侵害し違憲で、精神的苦痛を受けたとして高松市の高校3年、渉さん(18)と母親が県に計160万円の損害賠償を求めた訴訟の第1回口頭弁論が22日、高松地裁(天野智子裁判長)で開かれた。県は請求棄却を求めた。

 条例は、18歳未満のゲーム利用は1日60分(学校休業日は90分)まで、スマートフォンの使用は中学生以下は午後9時、それ以外は午後10時までにやめさせることを目安に、家庭でルールを作って子供に順守させる努力義務を保護者に課している。罰則はない。議員提案で成立し4月に施行された。こうした内容の条例は全国初。

 訴状によると、政府が「ゲーム依存症の発症を防ぐための時間制限に係る有効性および科学的根拠は承知していない」と見解を示していることなどから、条例の目的に科学的正当性は認められないと主張。仮に正当性が認められても、親や子供には何時間ゲームをするかを決める自由があり、条例は基本的人権を必要以上に制限して違憲だとしている。

 県側は答弁書で、条例によって受けた不利益の詳細などを明らかにするよう原告側に求めた。

 渉さんは閉廷後「やっとここまで来られたなという感じがした。(たくさんの人が傍聴に来ていて)全国的にも関心が高いのかなと思った。地道にこの裁判を進めていければと思う」と話した。

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